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2.脳の究極の謎――『納得の構造』

 

21世紀は「脳の世紀」と言われ、「現在、脳についてどこまで分かったか」とか騒がれていますが、いったい私たちは大脳について何を知りたいのでしょうか?
私の答えを先に言いましょう。アインシュタインは「宇宙が(大幅に=筆者註)理解できるとは不思議だ」と書いていますが、私の問題は「物事が分かるとはど ういうことであるか?」と言うことです。「脳が脳を理解することは可能か?」と言うとゲーデルの不完全性定理を思い出しますが、私にとっては関西弁で書い た方がシックリするので関西弁で書きます――
「なんで分かるか分からへんという事について、何が分からんか分からん!」という『納得の構造』が、私にとっての究極の大脳問題なのです。例えば「1+1=2は正しい」という数学定理の、脳機能による証明のように。

 納得から創造への距離は近い。「わがモノにする」ということですね。 『離二合新』という造語が私のモットーです。 その具体例――第1章の終わりに述べたことは、実は三層構造なのです。神経・心臓・筋肉などの「興奮性細胞」上の膜に離散した「イオンチャネルの矩形(くけい)波電流」が相合わさって、「活動電位」という新たな秩序を形成する。 活動電位という離散的な単位が相合わさって、脳波や心電図波型という更に大きな新たな秩序体が形成される(機能的自己組織化)。
鉄棒で「蹴上がりができた!」、「難問がとけた!」という、何か上部構造へジャンプアップする感じ。
既に調和ある外界宇宙から、系統発生的に、自分の脳の内部に正確に写像されていながら、遠く離れていて、しかも喉元まで来ていた、関連すべき複数の100mV単位の元が、一挙に一連の群発インパルスとして電流がつながった感じ!
       貫き留めぬ珠(たま)ぞ散りける
とは真反対の完結感。 それが納得であり、創造への入り口であると信じます。

◆ 『体得の構造』から『納得の構造』への脳の深化

  ①「蹴上がりができた!」が、順序として②「難問が解けた!」の以前に来ると考えるのが自然な成り行きです。 すると、「納得の構造」の前に「体得の構造」ありき!、となります。 ①蹴上がりを司る脳部位は、小脳ー視床(ししょう)-大脳皮質運動野(や)と同・頭頂連合野であることが、一昔前に、まず電気生理学的に証明されました。 (補足運動野も大事です(PETの成果))。

②「難問が解けた!」には空間定位幾何学を除いては、小脳と運動野は関与が薄い。スペース内の運動統御の「体得の構造」の脳内責任部位を基盤にして、大脳連合野(頭頂野・前頭前野)の「納得のneuronal assembly」が系統・個体発生的に形成されて来たと考えます。

Saburo Kawaguchi 京大教授が、神経細胞繊維の再生とつなぎ直し(可塑(かそ)性 plasticity と言います)で世界の教科書を書き換える発見をした(1979年)最初の部位が、丁度(1)に述べた脳部位です。古代ローマの格言を次いで、スペースの写像の「正確な体得に、正確な納得が宿る」と仮定されます。 

これらの部位でのシナプス伝達効率の一定期間の亢進と、運動課題(パラダイム)の遂行との並進性のあぶり出しが今、躍起になって進められてはいますが.、遠く離れたシナプス同士の関連性(「離二合新」)の証明には、壁が立ちはだかります。間接性が証明を弱めるのです

                               

 哲学はさて置き、まず、科学研究の武器として脳で計測可能なものは、大小の形態学、電気信号とそれに基づく光学信号、血流量、生化学物質とその濃度と代謝状態などでしょう。

①脳機能イメージング  生きている脳のどの部位が働いて、今の脳のこの働きが産み出されるかを画像化すること。「百聞は一見にしかず」と言いますが、「見えることが分かることだ」という考えの方もおられるでしょう。

脳の各部位の血流量と代謝(ブドウ糖や酸素などのエネルギー消費)が相関しているという当たり前と言いたくなる研究結果も多い。しかし研究用に開発された機械が徐々に病院用にも移りつつあります。
e.g.) 脳波 レントゲン写真(XP) (電子)顕微鏡 CT MRI (7Tesla)MRA PET MEG(脳磁図)  (7Tesla 3D-) f-MRI SPECT NIRS(光トポグラフィー) etc. (この内XP・CT・PET・SPECTは少量の放射能を浴びます、3D-CTAも。)

②脳機能局在論の細分化  脳は思考・感情・行動・知覚・記憶などさまざまな働き(機能)を司っていますが、単純な機能に関しては、脳のどの部位が 働いて、その働きが機能するようになるか大まかに一対一の対応が成立していることが分かっています。これを脳機能局在論と言います。

この方向の研究を押し進めていくと、脳の複雑で微妙な働きが、脳のどの微小な場所の働きで司どられているかが分かる可能性があります。異常心理では ない、脳自体に基づく器質的異常の原因部位の発見など臨床診断と治療への応用が期待されます。しかし複雑な脳機能ほど、多くの脳部位の協調によって営まれ ている可能性は高い(e.g. Place-,Grid-,Mirror-neuronal assembly)。  そこで(3)節に述べるお話になります。

③脳の3次元CTCパネル作り   究極の問題に対して、単一神経細胞の電気活動記録が、最も解像度が高く満足の行くものですが、ひと昔前の列車運転中央指令所にあったと勝手に想像する、列車集中制御装置(CTC)のパネルのように、脳内各部 での個々の神経細胞が発して神経繊維を走る電気インパルスの時空間―動的伝導パターンを、脳の思考の働きや行動と同期化して可視化すること。これは脳機能 の理解に近い。しかしこれも「見える=分かる」レベルですね。

④今さら「神」?
科学にはそれより上位の指導原理が必要なのを疑う方はおられますか? 科学の倫理は、そして人間の自由意志はどこから来るのでしょうか。青少年時、私は神 学など考古学上の産物と思っていましたが、「神仏」がお嫌いなら科学の指導原理は自分の脳から来るとしか言いようがありません。そのメカニズムを誰の何が 解明するのでしょうか。

宇宙の中に脳があり、脳の中に宇宙がある。 宇宙の謎はつくづく深いと感じます。

私は「脳の究極の謎(x)は、納得の構造(A)である。」と明確に述べています。 USにお詳しいスマートな方も各自「xは Bである。」との命題を提出していただきたい。                                          (2011.5.11記、'14.6.13追記)

◆ 痛みとカタルシス~ヒステリー・リスカの脳部位
長年大脳体性感覚野の電気生理学的研究を京大でしました。カタルシスを狙うためか左手首をリスカした時、そこが痛むのか脊髄後根神経節~視床腹側基底核~大脳皮質か、痛む部位は虹の七色スペクトラムのように連続体で特定できないと発見しました。同様ヒステリー性知覚麻痺も末梢から中枢神経系から心までどこで起こっている現象か不明(不可知)です(2016.12.22)。
 

◆ 「脳の究極の謎」と検索すると筆者は2位に落ちました。深い問いにムード的な曖昧なコンセプトでinitiativeを取るな。わが更新への 古書便乗商法の新潮社と(2015/12/11以来)SEO係争中です。優先権は長い間 踏み躙られてきました。 同社から受けた恩、『楡家の人びと』に養われ「真実は劇薬、嘘は常備薬」(by Hayao Kawai)を教わった⇒(岩崎学術出版社の貢献で音に聞こえた) CBTのワザを決めるとギクシャクするので、はやる患者を押しとどめてウダウダ噺を混ぜねばならない(2016.12.17)。