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6.カラオケ効果――読経は声による写経

お経を習い、やがて積極的に自分でも唱えてみる段階。
お経を唱えるために深く大きい呼吸をし、腹の底から荘重にまた朗々と声を出すことは、ストレス発散にとても良い方法です。いちどきに素早くいっぱい息を吸い込み、呼気とともに声を伸ばしてお経を読み上げていき、息を吐ききります。お経の意味が分かってくるとより効果的です。このことは、カラオケでおはこの唄に感情移入して歌ったときにとても気分が良くなることで皆さまも経験済みでしょう。

この気持ちの良さのことを読経三昧(ざんまい)(サマーディー)、ギリシャ語では「カタルシス」と呼びます。映画やテレビドラマが、しだいに盛り上がってきて山場・クライマックスとなり、主人公がとても可哀そうになって涙がこぼれてしまう、そのときに胸のつかえがおり、スッとして感情の汚れが清められるという意味で「浄化作用」と訳します。ギリシャのアリストテレスの発見です(『詩学』)。「ドラマチック効果」と呼ぶと覚えやすいでしょう。状況が許せば、悲しくなったら独り泣けばよいのです。泣くことには治療効果があります。

「窮すれば通ず」と言います。追いつめられ、せっぱつまって危殆(きたい)に瀕しているほど、「溺れる者は藁をもつかむ」で、ふだん小馬鹿にしているお経がカタルシスによる救いをもたらすこともあるのだということを、心の隅に置いてください。「禍福はあざなえる縄のごとし」とも言います。心にゆとりのある今こそ、必ず来る雨の日・冬の季節に備えて、仏国土に預金を積むようなつもりで読経を習い覚え、日々慣れ親しんで行じていってください。お経は危機の日によみがえって来てあなたを救うでしょう。

   【カタルシスの後日談】  2015/10/12に詩人の谷川俊太郎氏とQ&Aする機会をいただきました。おおざっぱな質問ではありましたが、私 「詩人の自殺率は小説家の自殺率より低い。 これはなぜですか 」ーすると谷川氏は「どこの国ですか、アメリカの詩人の自殺率は高いよ」と切り返されました。私 「調べたのは日本ですけれど」ー谷川氏「日本は低いね、なんでだろうね」  それで私の仮説――現実を昇華する詩人のカタルシスの力の方が小説家のカタルシスの力より強く、否定的な心情を浄化し洗い流すから、詩人の自殺は起こりにくい――は日本国内限定版となりましたが。
  数学の詩人、岡潔がフランスで孤独に「高い山から谷底(フランス)見れば瓜やナスビの花盛り」と自らを励まし依拠した、詩歌と仏教を骨格とする1,500余年の日本語文化の伝統(高い山)に守られないからアメリカ合衆国の詩人は脆(もろ) いのではないでしょうか。他の国は知りませんが。

あなたが愛唱する詩歌もまた呪文とも経文 (きょうもん) とも見なせます。
お経には良いことが書いてあるのを疑う人はいないでしょう。反対に、否定的な思いで頭をいっぱいにし、他人に毒のある言葉を投げかけてくる人は案外多いものです。そんな毒念は自分にはねかえってきて自分を損なうものです。そんな愚痴を口にするくらいなら、お経の肯定的でスケールの大きいヴィジュアルな美しい文章をとなえて、毒念と愚痴を自分の中から一掃しましょう!

落ち着いた一定のトーンを保持して、腹の底からゆっくりと息長くお経を唱えてゆくことは心を安定化させ、腹がすわります。読経は声による写経です。また、お経を聴きお経を誦むとき、おおぜいが声を合わせることが大切な意味を持ちます。お経を受け入れることで皆が心ひとつに溶け合い、孤独から解放され一体となる喜びを味わうのです。キリスト教会でいえば、詩篇交読・讃美歌唱和に相当するでしょう。