若い頃の痩せた性格のことを統合失調質
、中年以後の円満な性格のことを循環気質と言います。統合失調症と言い、躁うつ病と言っても程度の問題で、誰しもその素質を持っているのです。統合失調症の患者さんの性格を見ていくと先ほど述べたような痩せた共通点が浮かび上がってきて、そのような性格のタイプは多くの正常な人にも共通して見られることが分かってきたのです。性格が極端になるにつれて統合失調質 、統合失調型、統合失調症と言いますが、それは連続的な変化です。統合失調質 は正常、統合失調型は変わり者と言えるでしょう。統合失調質 には学者が多いです。それでは中年太り以後の、循環気質とは何でしょうか。この性格は実は躁うつ病と関係が深いのです。躁うつ病とは、周期的に異常に元気になったりノーマルになったり異常に落ち込んだりする病気ですが、躁うつ病の患者さんには、気分が循環する性格ということで循環気質の性格の人が多いのです。太り気味の人で、人なつこく人情味があって気分に波があり、人一倍山あり谷ありの人生を送っている人です。循環気質が強くなると、循環病質、それから循環病すなわち躁うつ病になります。循環気質には実業家、政治家が多いです。もちろん中年太りしない人も多く、統合失調質
と循環気質のいずれかの性格が一生続く人も多いです。これまで述べてきた角度から、自分はどちらの性格傾向が強いかを考えてみてください。うつ病の人は周期的に繰り返す落ち込みが特徴ですが、時期によってうつ病の人がハイテンションに舞い上がることもあります、それが躁うつ病です。周期的に舞い上がるだけの人もおり、それが躁病です。
◆ 躁うつ病と性格 ―― 日本人の発見
以上西欧由来の知見を述べましたが、ここで日本人の貢献を強調せねばなりません。
下田光造博士の太平洋戦争頃の発見で、諏訪望教授の教科書(南江堂)から引きます―「躁うつ病には執着性性格が背後に潜んでいる。これは熱中症(注;熱射病にあらず)、几帳面、徹底的で責任感が強く、他人に任せることが出来ない性格特徴である。」
会社は「太く長く」を要求して来ますから、ほどほどに(可能なら)抑えてください!
2011年12月、日大の村上正人教授から、線維筋痛症や慢性疲労症候群(CFS)に、うつ病や執着性性格が多いと伺いました。