右脳・左脳という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。言葉を司る言語中枢はたいていの人で大脳の左半球、つまり左脳にあります。算数の計算も言語中枢が司っています。読み書きそろばんを左脳が司っているのです。左脳が大事な働きをしているという意味で、左脳を優位半球と呼ぶことがあります。左利きの人では、言語中枢が右脳にある人もいます。理科系人間・文科系人間というとらえかたをよくしますが、言語中枢と算数の中枢とは重なり合っています。いま研究が進んでいますが、計算中枢・数学中枢という学術用語はまだありません。左脳・右脳の働きについての研究は、1981年にノーベル賞を受賞した仕事です。受賞者スペリーが一般向け啓もう書を書かなかったことが惜しまれます。
やや俗っぽく分かりやすいように拡大解釈しますと、次のようになります――左脳の働きは言葉・計算・ディジタル・論理的・分析的、右脳の働きは空間的にものをとらえる・アナログ・絵画的・総合的、ということです。
それではなぜ世の中には右利きの人が多いのでしょうか? 答えは教科書には書いてありませんが、心臓が左側にあるからだと思います。敵に対して左半身を後ろに引いて、右手に武器を持って闘った人たちが勝ち残ってきたからだと思います。