完全!保険診療. ストレス、苦しみ、心の病? 本町駅 (御堂筋線 M18 等) 徒歩3分  カウンセリングも医師院長が施行.  (土) 夕まで診療

 

     予約制
 診療日:水・金・土も
 朝10じ~夕7じまで

 



 

5.誰でもうつになり得る

テレビやラジオを見聞きしていて、次のようなテロップや臨時ニュースが入る経験をされることも多いと思います。つまり「交通情報をお知らせします。A鉄道は人身事故のためB駅とC駅の間で何時から運転を見合わせています」と。この人身事故とは、たいてい鉄道への飛び込み自殺のことなのです。痛ましいことです。私もたびたび、電車内で遅れの待機を経験しました。日本人の自殺は大変多く、1年間に3万人以上の人が自殺するのが、この14年間続き、日本人の平均寿命を引き下げています。1997年以来2012年に、15年ぶりに3万人を下回りました。女性は確かに世界一長寿ですが、男性は自殺者が多いために世界一の長寿ではなくなっています。2011年は平均すれば1日に90人近い人が自殺しているのです。

皆さんがうつの人を見かけても、「がんばれ」とだけは言わないでください。うつの人はがんばらなくてはならないことは十分に分かっているのです。がんばれないから苦しんでいるのです。弱りきった人を鞭打たないでください。

むしろ「グターッとしておきなさい」「ゴロゴロしておきなさい」と声かけをしてあげてください。時間をかければ、やがて薬が効いてきます。状況も変わります。うつは治ります。人格が支離滅裂に壊れることはありません。「うつの人を救え」とは、国会でもしばしば議論される、お役所の重要な政治課題、国策になっています。病気休職、お休みも取りやすくなっています。

「心の医者にかかるのはこんなに簡単なことだったのか、もっと早く来れば良かった」
と言う患者さんは多いのです。有名人でも自分はうつである、うつであったと公表している方は多い。テレビアナウンサーの小川宏、俳優の高島忠夫、竹脇無我、お天気おじさんの倉嶋厚、作家の北杜夫、曽野綾子、歌手の木の実ナナなどです。年齢を重ねると同級生たちが死んでゆきます。子どもは離れていきます。話し相手がいない孤独地獄になります。誰しもがうつになり得るということを覚えておいてほしいのです。

皇太子妃の雅子様の場合は、心の病で「適応障害」だと公表されています。適応障害という診断名はまだ歴史が浅く、プライバシーもあって詳しく知ることはできませんが、ノイローゼ、神経症の一種だと考えてください。また、1994年にノーベル経済学賞を受けたジョン・ナッシュ教授は、統合失調症であると公表されています。